永住許可とは、日本に滞在する外国人の方が、滞在条件や在留期間の制限なしで日本で暮らすことができる許可です。
しかし大変な思いをして取った永住許可も、ふとした不注意によって失ってしまう場合があります。
具体的には、以下のような場合について、注意する必要があります。
1)在留カードの更新手続きを忘れたとき
永住許可の在留期間は無期限ですが、在留カード自体には有効期限(7年)があるため、更新の手続きが必要になります。
この更新手続きを忘れてしまうと、永住許可が失われてしまいます。
再入国許可の手続きを取っていた場合でも、在留カードの有効期間満了日の2か月前から満了日の間に在留カードの更新手続きを行わなければ永住許可が失われますので、更新手続きのために日本に戻ってくる必要があります。
※出張や留学のため長期間本邦外で生活することとなり申請期間内に再入国することができないなどのやむを得ない理由のために申請期間内に申請をすることが困難な場合は,申請期間前においても申請できます。
2)再入国許可を取らずに一定期間(※1)が過ぎた場合や、再入国許可の期限(※2)を過ぎた場合
(※1)再入国許可を取らなくても「みなし再入国制度」として通常は1年、特別永住者は2年間は再入国をすることができますが、この期間を超えてしまった場合は、永住許可が失われてしまいます。
(※2)再入国許可の手続きを行なった場合、5年間(特別永住者の場合は6年間)は、在留カードの有効期限がある限り、永住許可は有効です。
もし、5年(または6年)より前に在留カードの有効期限が近付いてきてしまったら?
⇒その場合は有効期限が切れる前に、在留カードの期限更新のため日本に戻って
くる必要があります。
在留カードの期限が切れた場合も永住許可が失われるからです。
3)居住地を登録しなかったり、転出転入届を提出しなかった場合
永住許可を取った後、何かの事情で国外に長期滞在をする事となり、住民票を外して出国した場合で、日本に戻ってきてから3か月以上滞在する場合は、入国後14日以内に住民登録する必要があります。
この手続きを忘れて90日が経過した場合、永住許可を取り消される可能性があります。
4)犯罪を犯して懲役や禁固などの刑に処せられた場合
懲役や禁固などの刑に処せられた場合は退去強制となる場合もあり、このような時は日本を退去したと同時に永住許可が失われます。
5)上陸許可や永住許可の申請をしたときにウソをついたり、偽物の書類を提出して許可を受けた場合
申請内容に偽りがあった場合は、永住許可は取り消される事になります。
もし永住許可を失ってしまうと、再び1年や3年などの期限付きの在留資格の取得からやりなおしになります。日本を出国する際は、十分注意して出国するようにしましょう。